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パワハラに時効はある?訴える期限や必要な準備など

会社在籍時に受けたパワハラを退職後に訴えることができるか、パワハラの慰謝料請求に時効はあるのか、といったご質問をよくいただきます。

ここでは、パワハラの慰謝料請求について詳しく解説をしていきます。

 

◆パワハラによる慰謝料請求の期限
在籍時に受けたパワハラを退職後に訴えることは可能です。パワハラによるうつ病等の精神疾患の症状は時間が経過してから発症することも少なくないため、退職後であっても労災で治療費の補償を受けられるケースがあります。

もっとも消滅時効に注意する必要があります。
消滅時効は本来、民法166条に規定がありますが、パワハラ被害は民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求によって、慰謝料を請求することになります。そして不法行為に関しては、消滅時効に特則があり、167条と724条に規定があります。

724条では、「損害及び加害者を知ったときから3年以内、かつ不法行為の時から20年以内」とされています。

もっともパワハラの内容には、精神的なものもあれば、暴力等の肉体的な損害を被らせるものもあります。
そこで167条では、不法行為に基づく人の生命または身体の侵害による損害賠償請求の場合には、「損害及び加害者を知ったときから5年以内、かつ不法行為の時から20年以内」とされています。

 

◆パワハラを証明するのに有効な証拠
パワハラによる慰謝料を請求するためには、当然のことながら証拠が必要となります。

そこでパワハラを証明するために有効となりうる証拠をいくつかご紹介いたします。

 

・ボイスレコーダーによる録音
ボイスレコーダーでパワハラを受けている際の様子を録音します。
スマホに搭載されているアプリでも問題なく録音することができます。
パワハラを受けそうと思ったら、あらかじめボイスレコーダーをオンにしたり、常にボイスレコーダーをつけておくことをおすすめします。

 

・メール
理不尽な要求や暴言などが記載されたメールをしっかりと保存しておきましょう。
見返すのはつらいことかもしれませんが、消してしまうと意味がないので、確実に慰謝料を請求するために残しておきましょう。

 

・医師の診断書
パワハラが原因で、心身に不調をきたした場合には、医師から診断書を書いてもらいましょう。
うつ病などはもちろんのこと胃潰瘍などの、ストレスが関連する病気があったことが証明できれば、有利になる可能性があります。

 

・日記や業務日報、メモ書き
日記や業務日報、単なるメモ書きなどもパワハラの証拠となる可能性があります。
日々受けたパワハラを詳細にメモして、日付と内容をはっきりとさせておきましょう。

 

弁護士 大塚 晋平(小林法律事務所)は、静岡県富士市を中心に静岡県の法務を取り扱っております。不当解雇や残業代の請求、セクハラ・パワハラといったハラスメント、不当な労働条件の変更など労働問題でお困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。
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弁護士大塚晋平

弁護士(静岡県弁護士会所属)

大塚 晋平(おおつか しんぺい)

  • 経歴
    • 昭和61年7月19日生
    • 静岡県立清水南高校卒業
    • 九州大学法学部卒業
    • 静岡大学法科大学院修了
  • 所属

    静岡県弁護士会所属

事務所概要

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