配置転換命令が違法になるケースと拒否できる条件を解説
遠方への転勤や畑違いの部署への異動を命じられ、応じるしかないのかと悩む方は少なくありません。
会社の配転命令には広い裁量が認められている一方、法律上の限界を超えたものは無効になります。
今回は、配置転換命令が違法と判断される場合と、拒否できるかどうかの見極め方を説明します。
配置転換命令が違法になる場合
就業規則に異動を命じる定めがあり、勤務地や職種を限定する合意もなければ、会社は個別の同意なしに配転を命じられます。
もっとも、その権限は無制限ではなく、限界を超えた命令は無効になります。
権利の濫用と評価される場面
最高裁は昭和61年7月14日の東亜ペイント事件判決で、業務上の必要性がない場合、不当な動機や目的による場合、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合には、配転命令が権利の濫用になると示しました。
退職に追い込む狙いでの異動や、組合活動への報復としての異動は、不当な動機や目的による場面の典型例です。
同判決は業務上の必要性について、余人をもって代えがたいほどの高度な必要性までは求められず、企業の合理的な運営に寄与する点が認められれば足りると述べています。
職種や勤務地を限定する合意がある場合
労働契約で職種や勤務地が限定されているときは、会社にその範囲を超える配転を命じる権限がありません。
最高裁も令和6年4月26日の判決で、職種を限定する合意がある場合には労働者の同意がない限り職種の変更を命じられないと判断しました。
2024年4月1日以降に締結する労働契約では、就業場所と業務の変更の範囲を示すことが義務づけられたため、まず労働条件通知書を確認するとよいでしょう。
拒否できるかどうかの見極め方
命令が有効かどうかを整理しないまま断ると、思わぬ不利益を受けることがあります。
育児や介護の事情は配慮の対象になる
育児介護休業法26条は、就業場所の変更を伴う配転をするとき、子の養育や家族の介護が難しくなる労働者の状況に配慮するよう事業主に求めています。
配慮を欠いたまま転居を伴う異動を命じた場合、その点は権利の濫用を判断する要素になります。
もっとも家庭の事情があれば必ず拒否できるわけではなく、通常甘受すべき程度を超えるかどうかが分かれ目です。
争うときは説明を書面で求める
有効な命令を正当な理由なく拒み続けると、懲戒処分や解雇の理由とされるおそれがあります。
まずは異動の必要性と人選の理由、代わりの手段を検討したのかを会社に尋ね、回答を書面で受け取っておきます。
そのうえで納得できないときは、配転命令の無効を確認する手続きや地位を保全する仮処分も考えられるため、早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。
まとめ
配置転換命令は、業務上の必要性を欠く場合や不当な動機による場合、著しい不利益を伴う場合に無効となります。
職種や勤務地を限定する合意があれば範囲外の異動を命じられないため、まず契約の内容を確かめることが出発点です。
配置転換命令に納得できずお困りの方は、小林法律事務所の弁護士大塚晋平までお気軽にご相談ください。
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資格者紹介
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弁護士(静岡県弁護士会所属)
大塚 晋平(おおつか しんぺい)
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- 経歴
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- 昭和61年7月19日生
- 静岡県立清水南高校卒業
- 九州大学法学部卒業
- 静岡大学法科大学院修了
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- 所属
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静岡県弁護士会所属
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