裁量労働制でも残業代が発生するケースとは
裁量労働制は、実際の労働時間ではなく、あらかじめ定めた時間を基に賃金を算定する制度です。
残業代が出ない制度と理解されがちですが、一定の条件下では残業代の支払いが必要となることがあります。
本記事では、裁量労働制で、残業代が発生するケースについて解説します。
裁量労働制とは
裁量労働制は、業務の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ねることを前提にした労働時間制度です。
実際の労働時間ではなく、あらかじめ定めたみなし労働時間を基準として賃金を算定します。
通常の労働時間制とは異なり、日々の始業・終業時刻や実労働時間に基づいて残業時間を算定する仕組みではない点が特徴です。
そのため、実際の労働時間がみなし労働時間を超えた場合であっても、直ちに時間外労働として残業代が発生するとは限りません。
もっとも、裁量労働制はすべての業務に適用できる制度ではなく、対象業務や導入手続きについては法律上の要件が定められています。
裁量労働制でも残業代が発生するケース
裁量労働制が適用されている場合でも、状況によっては残業代の支払いが必要となることがあります。
以下では、実務上問題になりやすい主なケースを紹介します。
深夜労働や休日労働があった場合
裁量労働制では、みなし労働時間を基に賃金が算定されますが、深夜労働や法定休日労働に対する割増賃金の支払いまで免除されるわけではありません。
したがって、午後10時から午前5時までの時間帯に労働した場合や、法定休日に労働した場合には、実際の労働時間に基づいて割増賃金の支払いが必要です。
これは労働基準法により深夜労働および休日労働について割増賃金の支払いが義務付けられているためです。
制度の要件を満たしていない場合
裁量労働制は、対象業務の範囲や労使協定の締結など、法律で定められた要件を満たした場合にのみ適用される制度です。
対象業務に該当しない業務に裁量労働制を適用している場合や、必要な手続きを経ずに制度を導入している場合には、裁量労働制自体が無効と判断される可能性があります。
また、形式上は裁量労働制を採用していても、業務の進め方が細かく指示され、実質的に裁量が認められていない場合には、制度の趣旨に反すると評価されることもあります。
このような場合には、実労働時間に基づいて残業代の支払いが問題となることがあります。
まとめ
裁量労働制は、みなし労働時間を基に賃金を算定する制度であり、実労働時間に応じた残業代が発生しにくい仕組みです。
しかし、深夜労働や法定休日労働があった場合には割増賃金の支払いが必要となるほか、制度の要件を満たしていない場合には、裁量労働制自体が無効と判断される可能性もあります。
裁量労働制の適用が適切か、残業代の支払いが必要かといった判断は、制度の内容や実際の運用状況によって左右されます。
不明点がある場合には弁護士に相談し、状況に応じた助言を受けることをおすすめします。
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資格者紹介
Staff
弁護士(静岡県弁護士会所属)
大塚 晋平(おおつか しんぺい)
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- 経歴
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- 昭和61年7月19日生
- 静岡県立清水南高校卒業
- 九州大学法学部卒業
- 静岡大学法科大学院修了
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- 所属
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静岡県弁護士会所属
事務所概要
Office Overview
| 事務所名 | 小林法律事務所 |
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| TEL/FAX | TEL:050-5526-0206 / FAX:054-538-9087 |
| 営業時間 | 平日 9:00~17:00 (事前予約で時間外対応可能です) |
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